負担過重や血行循環障害などから発生する歯周ポケット
 歯周病は歯石、プラークの付着から、歯肉の炎症に始まり、口臭、歯肉の変色、出血傾向、歯根の露出や歯槽骨の吸収により歯がグラグラするということになり、ついには、抜歯に至ることになります。
 その原因の一つに、噛み合わせの悪さによる負担過重や血行循環障害などから発生する歯周ポケットの形成などがあり、そのため歯周病菌が多く発生し、プラークコントロールを中心とした処置が有効であると考えられ、歯周病処置が行われています。
 多くの場合、プラークコントロールを行うことで、その症状は改善しますが、中にはプラークコントロールのみではその進行を抑えることが難しく、外科的な処置や、さらには抜歯を行うという難治型歯周病も少なくありません。
 長期間歯周病の治療を行いつつも完治せず、咬合関連症、顎関節症の治療に対応した聴力測定による噛み癖部位の特定と、その検査に基づく咀嚼機能改善のための歯科処値、および咀嚼指導を行った結果、難治性の歯周病、歯槽骨の改善と同時に、頭痛、肩こりなどのいわゆる咬合関連症に伴う症状の改善が同時に起きている数多くの症例があります。
 咬合関連症や顎関節症の治療の目的で、歯周病があり、同時に咬合関連症状を訴え、長坂歯科に通院する患者さんの初診時、口腔内疾患の状況、咬合関連症状の有無と種類、聴力測定による偏位咀嚼部位の診査、ならびにパノラマX線画像において検査を行ったところ、噛みぐせや疾患などによる偏位咀嚼部位に歯槽骨の垂直的な吸収があること、また噛まない歯の部分においては水平的な吸収が多く見られ、同時に聴力測定を行ったところ、偏位咀嚼部位に聴力低下が起こり、噛まない歯の部分においては聴力の亢進が見られました。

噛み合わせ指導などによる偏位咀嚼部位の改善処置を行う
 このような症例に対し、歯科疾患の改善処置や咀嚼指導などによる偏位咀嚼部位の改善処置を行い、約半年から一年経過後、再度パノラマX線写真を撮影すると、偏位咀嚼部位の垂直的な吸収の減少、また、噛まない歯の部分に水平的な吸収程度に吸収像の改善(歯根膜空隙減少および歯槽骨再生)が多く見られること、また主訴である咬合関連症状の減少および聴力値における左右の聴力差の均等(スタビライジング効果)、低い音から高い音に於いて平均的な聴力値(イコライジング効果)が現れることが確認されました。
 偏位咀嚼側、つまり噛みすぎている側では、その部位における負担過重が原因であるとともに、噛まない歯の部分(非偏位咀嚼)では、咀嚼による食物による歯肉のマッサージ効果いわゆる自浄作用の欠如により、局所血行縦貫障害が起こることが歯周ポケット発生の大きな原因の一つと考えられます。
 そのため、噛み合わせ指導などによる咀嚼機能バランスを考え実行することは、口腔全体の機能を正常化し、同時に血流循環も正常になることで、歯の周囲組織の活性化のみならず顎関節をはじめとする聴力など周辺部位の機能正常化に関与する可能性が多いと思われます。